時代の変化で犬の外飼いは減少傾向?飼い主が知るべき課題と注意点

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のんちゃん
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かつて日本の家庭では、庭先に犬小屋を置いて「犬を外で飼う」スタイルが一般的でした。しかし近年では、犬 外飼いの割合は急激に減少し、その姿を見かけることは少なくなっています。

この変化の背景には、都市化による住環境の変化や、気候の過酷さ、そして「犬を家族の一員として迎える」という意識の高まりがあります。

また、外飼いに対する法律や自治体のルールも整備されつつあり、場合によっては通報や指導の対象となることもあります。

「犬 外飼い」と検索するあなたは、外飼いが今の時代に合っているのか、どんな犬が向いているのか、どのような準備や配慮が必要なのかを知りたいのではないでしょうか。

本記事では、外飼いの現状や減少の理由、適した犬種や飼育環境、そして外飼いにまつわるトラブルや法律面の知識まで、幅広く解説していきます。外飼いを選ぶうえでの正しい判断材料として、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること

  1. 犬の外飼いの現状や割合、なぜ減ってきたのかという背景

  2. 外飼いに適している犬種と、外での生活に向かない犬種の特徴

  3. 犬の外飼いに関する法律や、禁止する自治体の方針とルール

  4. 外飼いで起こる可能性があるトラブルとその具体的な対策方法

犬の外飼いは減った?その理由を解説

『犬の外飼いは減った?その理由を解説』は次のとおり。

ㇾこの章のもくじ

犬の外飼いの割合はどれくらい?

かつては当たり前だった犬の外飼いですが、現在ではその姿を見る機会が大幅に減っています。

2022年にペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によれば、犬を主に「屋外」で飼っていると回答した人の割合はわずか5.5%でした。

以下は一般社団法人ペットフード協会の調査を基に作成した外飼いの推移です。

調査年 外飼い割合
2018 9.0%
2019 8.7%
2020 8.3%
2021 7.9%
2022 5.5%
2023(推計) 5.2%

出典:一般社団法人ペットフード協会調査(外飼いの定義は主な居場所が屋外であること)

これを具体的な頭数に換算すると、全国で飼育されている約705万頭のうち、およそ39万頭が外飼いされていることになります。

実はこの数字は、過去と比較するとかなり大きな変化です。5年前のデータでは、外飼いの割合は9%前後で推移しており、今よりも多くの犬が庭先や犬小屋で生活していました。

それが2022年には一気に3.5ポイントも減少しているのです。つまり、日本では「外で犬を飼う」という文化そのものが、急速に縮小しているといえます。この背景には、さまざまな社会的要因が絡んでいます。

まず1つは住環境の変化です。

都市化が進み、集合住宅に住む人が増えたことで、庭付きの一軒家で外飼いするスタイルは次第に減少しました。特に都市部では、土地の広さや防音の問題から、屋外で犬を飼うことが難しい家庭が多くなっています。

また、犬に対する意識の変化も無視できません。

昔は番犬として飼われることが一般的でしたが、現在は「犬=家族の一員」として迎え入れる家庭が増えています。

このような考え方が広まることで、犬を家の中で飼い、常にそばにいて健康や気持ちの変化に気づけるようにするスタイルが主流になりました。

さらに、日本の気候変動も影響しています。

特に夏の猛暑日は35℃を超えることも珍しくなく、外飼いの犬にとっては命に関わるレベルの暑さとなることがあります。

冬も地域によっては厳しい寒さが続くため、屋外では健康を保つのが難しいという判断から、室内飼いに切り替える飼い主が増えているのです。

このように考えると、現在の外飼いの割合が5.5%という数字は、時代や社会の流れを象徴する結果だといえるでしょう。かつてのように庭先で犬が走り回っている光景は、今や少数派になりつつあります。

外飼いが絶対に悪いというわけではありませんが、今の時代には相応の配慮と環境整備が求められる飼い方であることは確かです。

外飼いできる犬種とその特徴

外での飼育に向いている犬種は限られており、すべての犬が外飼いに適しているわけではありません。実際には、身体的な特徴や気質によって向き不向きが明確に分かれます。

ここでは、外飼いに適した代表的な犬種と、その特徴について解説します。

まず外飼い向きとされるのが、柴犬や秋田犬などの日本犬です。

これらの犬は、日本の気候に適応しやすく、寒暖の差にも比較的強い耐性を持っています。ダブルコートという厚い被毛構造をしており、寒さを防ぐだけでなく、夏場は換毛によって体温調整が可能です。

また、独立心が強く、外の刺激にも過剰にストレスを感じにくい性質を持っているため、屋外での生活にも適応しやすいとされています。

次に挙げられるのは、ボーダーコリーやシェットランドシープドッグなどの牧羊犬です。

これらの犬はもともと屋外での作業をこなすために改良されてきた犬種で、体力があり、気温の変化にもある程度対応できます。ただし、運動量が非常に多いため、狭いスペースでの飼育は避け、自由に走り回れる広さが必要です。

また、大型犬の中でも寒冷地原産の犬種、たとえばシベリアンハスキーやアラスカンマラミュートなどは、厳しい寒さに強く、広い屋外スペースでの飼育にも向いています。ただし、高温多湿には弱いため、夏場の管理には特に注意が必要です。

犬種カテゴリ 代表的な犬種 外飼いに向く理由 注意点
日本犬 柴犬、秋田犬 気候への適応力が高く、ダブルコートで寒暖差に強い 独立心が強く環境に慣れやすいが、過度な放置は避ける
牧羊犬 ボーダーコリー、シェットランドシープドッグ 体力があり屋外作業に適しており、気温変化にも対応可能 運動量が多いため広いスペースが必要
寒冷地原産の大型犬 シベリアンハスキー、アラスカンマラミュート 寒さに強く、広い屋外スペースでの飼育が可能 高温多湿に弱く、夏場の管理に注意が必要

このように、外飼いに向いている犬種には共通して「気候への耐性」「独立性」「強い体力」などの特徴があります。

しかし、どれだけ外飼いに向いているとされる犬種であっても、完全に屋外に放置するのは望ましくありません。適切な犬小屋、日除け、寒さ対策、こまめな健康チェックなどが前提となります。

したがって、犬種だけで外飼いを判断するのではなく、その犬の性格や健康状態、環境整備の有無を含めて総合的に判断することが大切です。

判定項目 適合の目安
被毛 ダブルコート(柴犬・秋田犬など)
体格 中型以上で体温調整がしやすい
性格 警戒心はあるが過度な分離不安がない
歴史的背景 牧羊・番犬など屋外作業経験が長い
ひで
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上記のポイントに当てはまるか確認してみてくださいね。

外飼いがかわいそうとされる理由

犬の外飼いについて、「かわいそう」と感じる人が増えているのには、いくつかの理由があります。見た目の印象だけではなく、犬の本来の性質や環境への配慮の視点からも、そうした意見が広がってきたといえるでしょう。

まず、犬は社会性の高い動物であり、群れで行動することを本能的に求めています。飼い主とのコミュニケーションを大切にし、日々のスキンシップや言葉のやり取りを通して安心感を得る動物です。

そのような犬を長時間外に繋ぎ、物理的にも心理的にも距離を置く飼い方は、犬の情緒面に悪影響を及ぼす可能性があります。特に夜間や寒暖差の激しい季節は、孤独や不安を感じやすくなることが指摘されています。

また、外飼いは環境の影響を直接受けるという点でも懸念が強い飼育方法です。猛暑日や氷点下の日に屋外で過ごすことは、熱中症や凍傷などのリスクを伴います。

たとえ犬小屋が用意されていても、気温や湿度、風雨などを完全に遮ることは難しく、命に関わる危険もあります。さらに、外ではノミやダニ、蚊などの寄生虫にさらされやすく、感染症のリスクも高まります。

これに加えて、事件や事故のリスクも外飼いの問題点として注目されています。

通行人による心ないいたずらや、食べ物を勝手に与えられる、場合によっては盗難にあうといった事例も報告されています。こうした状況に置かれた犬を見ると、「かわいそう」と思うのは自然な感情かもしれません。

このように、外飼いが「かわいそう」とされるのは、犬の気持ちを無視しているように見えること、過酷な自然環境にさらされていること、外的な危険から守られていないことなど、複数の要因が関係しています。

人間の都合だけで外に置かれているように映ることが、同情や批判を生む背景となっています。

外飼いで後悔しないためのポイント

犬を外で飼うことを選ぶ場合、後から「やっぱり無理だった」と感じてしまうことも少なくありません。ですが、いくつかの重要なポイントを事前に押さえておけば、外飼いによる後悔を減らすことができます。

最も大切なのは、外飼いに適した環境をしっかり整えることです。

単に庭があるからという理由だけで外飼いを始めると、犬が暑さや寒さに耐えられなかったり、ストレスを抱えて問題行動を起こしたりすることがあります。

犬小屋は気温変化に対応できる断熱構造のものを選び、直射日光や雨風から身を守れるよう、屋根や風よけのある場所に設置する必要があります。

次に意識すべきなのが、飼い主との接触機会を減らさないことです。

外にいるからといって放置してしまうと、犬は孤独を感じやすくなります。散歩や食事の時間はもちろん、日中もこまめに声をかけたり、遊んだりする時間をつくることが重要です。

外飼いであっても、犬との関係性を深める努力を怠ってはいけません。

また、防犯・脱走対策は万全にしておくことも、後悔を避けるうえで不可欠です。

犬がフェンスを越えてしまったり、リードが外れて逃げてしまったりする事故は思いのほか多く報告されています。

首輪には必ず迷子札をつけ、柵や門は頑丈なものにしておきましょう。リードは適度な長さがあり、ストレスにならないものを選び、常に安全に配慮することが求められます。

最後に、近隣トラブルの防止策も忘れてはいけません。

無駄吠えやにおい、抜け毛が飛ぶなどの問題があると、ご近所からクレームが入ることがあります。犬のしつけはしっかり行い、定期的に清掃や衛生管理を徹底することで、トラブルを未然に防げます。

これらの準備をせずに外飼いを始めると、「思ったより大変」「犬に申し訳ないことをした」と感じることになりかねません。

外飼いは手間も配慮も必要な飼育スタイルです。生活環境と自分のライフスタイルを見直し、きちんと準備を整えた上で取り組むことが、後悔しない外飼いの第一歩になります。

ひで
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外飼い継続後に後悔しないため、次のポイントを事前に点検してくださいね。

□ 高温期の直射日光を遮る屋根と十分な風通しを確保しているか

□ 冬季は防風・防寒の工夫を施し、低体温症を防げるか

□ 一日二回以上の見回りおよび散歩時間を確保できるか

□ 狂犬病予防接種とフィラリア予防薬を欠かしていないか

□ 係留スペースが犬の体高×体長の4倍以上あるか

□ 緊急時に屋内へ避難させる動線を準備しているか

全てにチェックが入れば大きな後悔は起こりにくいはずです。一つでも空欄が残る場合は改善策を講じましょう。

犬の外飼いのルールと注意点とは

『犬の外飼いのルールと注意点とは』は次のとおり。

ㇾこの章のもくじ

犬の外飼いは法律でどう扱われる?

犬を外で飼うこと自体は、日本の現行法では原則として禁止されていません。しかし、どのような環境で飼育するかによっては「虐待」や「ネグレクト(飼育放棄)」とみなされる可能性があります。

ここでは、犬の外飼いに関する法律的な取り扱いについてわかりやすく説明します。

日本では「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」が、ペットを含む動物の保護と適切な管理に関する基本的なルールを定めています。

2021年にはこの法律の一部が改正され、ペット業者に対しては「飼育環境に関する数値基準」が導入されました。

ひで
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以下のような内容になります。

  • ケージ(寝床・休息場所)の最低面積

    • 分離型ケージ:体長×2 × 体長×1.5 × 体高×2以上

    • 一体型:分離型ケージ床面積の6倍×体高×2以上

  • 運動スペースの確保

    • 分離型の場合は同一以上の運動場を設け、1日3時間以上運動を義務付け

  • 従事者あたりの飼育頭数

    • 犬:従事者1人につき繁殖犬15頭/販売犬20頭まで

    • 猫:繁殖猫25頭/販売猫30頭まで

  • 環境管理の要件

    • 温度計・湿度計を設置し、高温・低温で動物の健康に支障がないよう管理

    • 臭気レベルの抑制、自然光または照明による日照サイクルの確保

  • 繁殖に関する制限

    • メス犬は生涯出産6回まで、交配開始年齢は6歳以下(条件付きで7歳まで)

  • 疾病・健康診断

    • 1年以上飼養する個体には年1回以上の獣医師検診と診断書の保存(5年間)

ただし、このような数値規制はあくまでも業者(ペットショップやブリーダーなど)に適用されるものであり、一般の家庭で犬を飼っている個人には直接の拘束力はありません。

そのため、外飼いをしていても、ただちに法律違反になるわけではないという点は押さえておく必要があります。

一方で、環境省が公表している「飼育改善が必要な例」には、具体的なガイドラインがいくつか示されています。例えば、以下のような飼育状況は虐待やネグレクトに該当する可能性があるとされています。

  • 糞尿が処理されず悪臭が立ち込めている

  • 鎖でつなぎっぱなしで、散歩にも連れて行かない

  • 雨風や寒さ・暑さをしのげる場所が確保されていない

つまり、外飼いそのものではなく、犬が健康的かつ安全に暮らせる環境が整っているかどうかが重要視されるというわけです。

たとえ庭に犬小屋を設置していたとしても、それが不衛生だったり、気温への対策が不十分だったりすれば、行政の指導や通報の対象になる可能性があります。

また、近年では、動物を「感受性のある存在」として尊重する考え方が広がっており、犬の福祉の観点から、外飼いに対する社会の目も厳しくなってきています。

法律が許している範囲内であっても、適切な配慮を欠いた飼い方は望ましくないという共通認識が強まりつつあります。

犬の外飼いを禁止する自治体がある?

現在のところ、日本で犬の外飼いそのものを一律に禁止している自治体はありません。

しかし、外飼いの方法や環境に一定の基準を設けている自治体は存在しており、地域によって取り扱いには差があります。これは、各自治体が動物愛護の観点から、独自のルールや啓発活動を行っているためです。

たとえば、東京都や神奈川県など一部の自治体では、動物の飼育に関するガイドラインや条例を設けており、「犬をつなぎっぱなしにしない」「毎日様子を見ること」「散歩や運動の機会を確保する」などの具体的な指針が示されています。

これらは法的強制力を持つ条例の場合もあれば、啓発を目的としたガイドラインにとどまるケースもあります。

また、虐待や不適切な飼育が疑われる場合には、動物指導センターや保健所が調査や改善指導に入ることがあります。住民からの通報がきっかけで行政が動くケースも少なくありません。

その際、犬が長時間つながれたまま、悪天候にもさらされる状態であれば、「虐待の疑いあり」と判断され、飼い主に指導が行われることもあります。

このような動きの背景には、社会全体で「動物の福祉」を重視する考えが広まりつつあることが挙げられます。

実際、世界的に見ても、犬の外飼いに関する数値規制を導入している国は少なくなく、たとえばスウェーデンやアメリカの一部州では「連続して何時間以上つないではいけない」といった具体的な法律が整備されています。

日本でもこのような数値基準の導入を求める声は徐々に高まっており、今後、自治体単位での規制強化やルールの明確化が進む可能性もあります。

したがって、外飼いを検討している場合には、自分が住む地域の方針をよく確認しておくことが大切です。

外飼いが全面的に禁止されているわけではないにせよ、「自由=無制限」ではないという意識を持ち、犬が安全・快適に暮らせる環境づくりを最優先に考える必要があります。

自治体の相談窓口やガイドラインを事前にチェックし、地域に合った飼育方法を選びましょう。

犬の外飼いで通報されるのはどんな時?

犬を外で飼うこと自体は法律違反ではありませんが、状況によっては「動物虐待」として通報される可能性があります。では、どのようなケースで通報の対象になるのでしょうか。主な例をいくつか紹介します。

まず多いのが、長時間つなぎっぱなしの状態で、散歩や運動がまったくない場合です。犬は本来、自由に動き回ることや散歩を通して外界と触れ合うことを必要としています。

にもかかわらず、狭い範囲に固定され、精神的にも身体的にも刺激がない生活を強いられていると、通報の対象になることがあります。特に、リードの長さが極端に短く、座ることすら困難な場合は、深刻なネグレクトと見なされやすいです。

次に問題となるのが、天候に対する配慮が不足しているケースです。

たとえば、真夏の炎天下や真冬の寒空の下で、日除けも風よけもない場所に犬を放置していた場合、「適切な飼育環境が整っていない」と判断されることがあります。

犬小屋があっても、内部に断熱材がなく極端に暑い・寒いといった状況が続けば、命の危険につながりかねません。

また、衛生管理が行き届いていないケースも通報される要因となります。

糞尿が何日も放置され、悪臭が漂っていたり、毛が抜け落ちて皮膚病のような症状が見られたりする場合は、「適切な飼育がされていない」とされ、近隣住民が通報するケースがあります。

さらに、犬が夜間も吠え続けるなどの騒音トラブルが発生している場合も、近隣からの通報につながる可能性があります。

犬の鳴き声が近隣住民の睡眠や生活に支障をきたしている場合は、動物愛護だけでなく生活環境の観点からも問題視されるため、注意が必要です。

このような状況が確認された場合、通報は主に保健所や動物愛護センター、場合によっては警察に入ることもあります。

通報内容によっては、飼い主に改善指導が行われたり、最悪の場合、犬が保護されたりすることもあります。

つまり、外飼いをしていても、犬の健康・安全・快適さを軽視していると見なされたときが、通報される大きなきっかけとなるのです。

自分では気づきにくい点でも、周囲の人にとっては明らかな問題に映ることもあるため、常に第三者の目線で飼育環境を見直すことが大切です。

逆に通報する場合はどうすればいい?

近隣宅の外飼いが虐待ではないかと感じた場合、第一選択は各自治体の動物愛護センターです。電話番号は自治体サイトに掲載されています。センターが確認したうえで必要に応じ警察に連携する仕組みになっています。

  • 騒音のみ→環境衛生課が窓口
  • 虐待・衰弱の疑い→動物愛護センター or 警察署
  • 放浪犬の安全確保→保健所

証拠として写真や日時メモを添えると、担当者が状況を判断しやすくなります。匿名相談も受け付けているため、トラブル回避の観点から活用するとよいでしょう。

外飼いで守るべき飼育環境とは

犬を外で飼う場合、屋内での飼育以上に、環境の整備と管理が非常に重要になります。なぜなら、犬は外の気温や天候、騒音、他人の視線など、さまざまな刺激やストレスにさらされやすくなるからです。

ここでは、外飼いをする上で最低限守るべき飼育環境のポイントを紹介します。

まず第一に必要なのは、快適かつ安全な犬小屋の設置です。犬小屋はただ屋根があればよいというわけではありません。

風通しがよく、雨風をしっかり防げる構造であることに加えて、断熱材や床板があることで寒暖差への対応力が高まります。冬場には毛布を敷く、夏は通気性の良い日陰に設置するといった工夫が求められます。

次に大切なのが、水分補給と衛生管理です。

飲み水は常に清潔な状態で確保しておく必要があります。特に夏場は水が傷みやすく、虫が湧くこともあるため、1日に複数回交換するのが理想です。

また、犬の排泄物は毎日処理し、周囲のにおいや衛生状態に配慮することが求められます。

さらに、日常的な健康管理やスキンシップの時間も不可欠です。

屋外にいると飼い主の目が届きにくく、体調の変化に気づくのが遅れることがあります。毎日きちんと体を見て、食欲や行動に変化がないかを観察しましょう。

また、外飼いであっても、コミュニケーションをとることで犬の安心感は大きく変わります。

加えて、防虫・防寄生虫対策も忘れてはいけません。屋外はノミやダニ、蚊などが多く、皮膚病やフィラリアといった感染症のリスクが高まります。定期的な予防薬の投与や、犬小屋周辺の除草・清掃が欠かせません。

最後に、脱走や事故を防ぐための物理的対策も必要です。

フェンスで囲まれたスペースを用意する、リードの長さを調整する、首輪に迷子札をつけるといった対策は、外飼いにおいて基本中の基本です。近隣とのトラブル防止にもつながるため、あらかじめ周囲への配慮も意識しておきましょう。

このように、犬を外で飼う際には多くの配慮と準備が必要です。屋内と違って「放っておいても大丈夫」という考えは通用しません。

犬が健康的かつ安全に過ごせるよう、外飼いを選ぶなら飼育環境の整備は必須条件として捉えるべきです。

外飼いによるトラブルとその対策

犬を外で飼うことには、室内飼いにはない特有のトラブルがつきものです。

何気ない飼い方が近隣住民との関係悪化や、犬自身の命にかかわる問題へ発展することもあるため、あらかじめどんなトラブルが起こりやすいのかを理解し、対策を講じることが重要です。

まず代表的なのが、鳴き声による騒音トラブルです。外飼いの犬は通行人や他の動物の気配に反応して吠えやすく、特に夜間の無駄吠えは苦情の原因になりやすい傾向があります。

吠え癖がついた場合、放置しておくと「うるさい」「迷惑」といった不満が積もり、通報にまで至ることもあります。

これを防ぐには、しつけの見直しや運動不足の解消が効果的です。また、犬が落ち着いて過ごせるよう、外部の刺激を減らす工夫も有効です。

次に挙げられるのが、においや衛生面の問題です。外飼いでは排泄物が庭に溜まりやすく、処理を怠ると悪臭が発生してしまいます。

特に夏場は匂いが強くなるため、毎日の清掃は欠かせません。においだけでなく、ハエや害虫の発生もご近所に迷惑をかける要因となるため、こまめな掃除と消臭対策は基本です。

また、脱走や事故のリスクも外飼いならではのトラブルです。リードが外れたり、フェンスの隙間から犬が出てしまったりすると、交通事故や他人への噛みつきなど重大な事態を引き起こす可能性があります。

これを防ぐためには、丈夫なリードの使用、二重の柵やゲートの設置、そして首輪に迷子札をつけるといった対策が有効です。

さらに、通行人や他の動物への警戒心から攻撃的になるケースも見られます。犬がフェンス越しに人に吠えたり威嚇したりすると、「危険な犬」として警戒され、地域との関係が悪化することもあります。

犬が安心できるスペースを確保し、必要であれば視界を遮る工夫をするなど、環境面の調整も必要です。

これらのトラブルを防ぐには、「放し飼いではないから安全」という認識では不十分です。外飼いであっても、周囲への配慮と犬の安全・快適性を最優先に考えた対策が求められます。

少しの工夫で、防げるトラブルも多いため、日々の管理と見直しを怠らないことが大切です。

外飼いに向いていない犬種の見極め

すべての犬が外飼いに適しているわけではありません。犬種や体質、性格によっては屋外での生活に強いストレスを感じる場合があるため、事前に「その犬が外飼い向きかどうか」を見極めることが不可欠です。

まず外飼いに向かない代表的な犬種が、小型犬や愛玩犬タイプの犬種です。具体的には、チワワ、マルチーズ、トイプードル、ポメラニアンなどが該当します。

これらの犬は身体が小さく、寒さや暑さに対する耐性が弱いため、外気の変化が直接的な健康被害につながります。

また、家庭内で人と密接に過ごすことを前提に品種改良されているため、屋外で孤独に過ごすことが精神的ストレスになりやすい傾向があります。

のんちゃん
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僕は家の中で生活しているよ。

次に注意したいのが、シングルコートの犬種や短頭種です。ミニチュアピンシャーやイタリアングレーハウンドなどのシングルコート犬は被毛が薄く、体温の保持が難しいため、冬場の寒さには非常に弱いです。

一方で、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は呼吸器が敏感で、夏場の熱中症リスクが極めて高く、屋外の高温多湿な環境に置くことは非常に危険です。

また、人と接することが好きで寂しがりやな性格の犬も、外飼いには不向きです。

たとえ体が丈夫であっても、孤独によるストレスが原因で無駄吠えや問題行動を引き起こすことがあります。人と一緒に過ごす時間を必要とする性格かどうかは、外飼いの適性を判断するうえで重要なポイントです。

見極める際には、犬種だけでなく、その個体の性格や健康状態、過去の生活環境なども考慮する必要があります。ブリーダーや獣医師からのアドバイスを受けることで、より的確な判断ができるでしょう。

つまり、体力や気候への耐性があることに加えて、独立心や精神的な安定性も兼ね備えていないと、外飼いは犬にとって大きな負担になります。

犬にとって最適な環境を考えることが、トラブル防止と健康維持の鍵となります。安易に「外飼いにすれば楽」と考えるのではなく、その犬に合った飼育方法を選ぶ姿勢が求められます。

犬の外飼いに関する現状と注意点 まとめ

この記事をまとめます。

  • 現在、犬の外飼いは全体の5.5%と少数派

  • 都市化により外飼いできる住環境が減少

  • 気候の変化により外飼いのリスクが増加

  • 犬を家族と考える意識の広がりで室内飼いが主流に

  • 日本犬や牧羊犬は外飼いに適している傾向がある

  • 外飼いがかわいそうとされる背景には孤独や環境問題がある

  • 適切な犬小屋と気温対策が外飼いには不可欠

  • 外飼いでもこまめな健康管理とスキンシップが必要

  • 長時間つなぎっぱなしは通報の対象になることがある

  • 衛生管理が不十分だと悪臭などで近隣トラブルにつながる

  • 吠え声による騒音問題は苦情や通報の原因となる

  • 外飼いに向かない犬種も多く、見極めが重要

  • 動物愛護法では外飼いの環境次第で虐待と判断される場合もある

  • 一部自治体では外飼いに関する独自のガイドラインを設けている

  • 外飼いは自由ではなく、配慮と責任が求められる飼育方法である